シャープ相次ぐ誤算…中国で競り負け“在庫の山” 円安の追い風どこへ? (2/5ページ)

2015.2.15 07:06

厳しい表情で記者の質問を聞くシャープの高橋興三社長=東京都港区

厳しい表情で記者の質問を聞くシャープの高橋興三社長=東京都港区【拡大】

  • 決算発表の後、記者の質問に応じるシャープの高橋興三社長(中央)=東京都港区(栗橋隆悦撮影)
  • 決算を発表するシャープの高橋興三社長=東京都港区(栗橋隆悦撮影)
  • 記者会見に臨むシャープの高橋興三社長=東京都港区

 予兆は昨秋からあった。昨年10月末に発表した26年9月中間連結決算は、上半期として4年ぶりに最終黒字を確保した一方で、中期経営計画がスタートして初めて売上高、利益ともに予想を下回っており、収益力が陰りをみせていた。

 業績悪化の原因は、相次ぐ誤算と経営環境の変化への対応が遅れたことだ。

 国内で生産して海外に輸出する主力の液晶パネル事業は、円安の追い風を受けるはずだったが、国内のライバル、ジャパン・ディスプレーなどの攻勢で価格競争に巻き込まれ、利益が目減りした。タブレット端末向けの中型パネルも計画ほどは伸びなかった。中国のスマートフォンメーカーとの取引は計画通り15社に増えたが、中国全体のスマホ販売が想定を下回り、在庫過剰に陥った。

 液晶テレビでは、北米では大型モデルの価格競争が激化したうえ、30機種以上を展開する商品戦略が浸透しなかった。逆に、国内では需要が拡大してきた高精細「4Kテレビ」のラインアップ拡充が遅れたことでシェアを落とした。

「計画の方向性は間違っていなかったが、環境変化に追いつけていなかった」

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