習指導部が初めて独自策定する経済政策で、3月5日に開幕する全国人民代表大会(全人代=国会)で20年までの5年間の成長率目標を設定する。すでに、李克強首相らが国際会議などで示唆しているように、16年から20年まで「年6・5%以上」、あるいは「6・5%から7・0%」と幅を持たせる目標値になりそうだ。目標が正しく達成できれば、逆転シナリオも再始動するかもしれない。
習指導部が誕生した際、中国共産党は「20年に10年比で名目GDPを2倍にし、国民所得も倍増させる」との目標を打ち出した。人民に向けたスローガンでもあるが、実現には「年6・5%以上」が必要と試算されており、経済実勢よりもまず、スローガンありきの成長目標といういびつな数字だ。このことが習指導部にとって呪縛ともなり、計画経済時代のような管理型の政策を続けざるを得ない。
ところが、規模ばかり追い求めてきた中国のGDPは、深刻な構造問題を抱えていることが明らかになっている。