現在、政府が進める社会保障・税一体改革の主眼は「2025年問題」対策だ。「2042年問題」を乗り切るための準備を開始しなければ間に合わなくなる。
急がれる2つの政策
ただちに着手すべきは年金の支給開始年齢の引き上げと少子化対策だ。両政策とも相当の年月を要する。2042年までの「時間」はさほど残されているわけではない。
支給開始年齢の引き上げとは、2042年時点の高齢者数を減らすのが目的だ。日本ほど高齢化が進むわけでない米国やドイツですら67歳、英国も68歳まで上げる。日本も避けるわけにはいかない。
まず誤解を解き、議論を始めるだけで時間がかかりそうだ。対象は「将来の高齢者=若い世代」だが、構想が持ち上がるたびに高齢世代が反発して先送りされてきた。