裏読みすれば、アップルらしい革新性が皆無な「普通の商品」というところが逆に目新しいともいえる。
もうひとつの注目点はカリスマ創業者のスティーブ・ジョブズ亡き後、アップルウオッチは初めての戦略商品となることだ。
カリスマ経営者亡き後の初の戦略商品
iPhone、iPadなどはジョブズの開発思想がそのまま形となり、強烈なリーダーシップで世界中にこれらの商品の情報を発信してきた。ジョブズは生前、アップルTVの発売を夢見たといわれ、もしかしたらアップルウオッチも彼の思いが詰まっているのかもしれない。しかし、それでも死後3年半が経過しており、ジョブズというよりも現CEO(最高経営責任者)のティム・クックの意向が反映された商品といえるだろう。
ウエアラブル端末は、将来の有望市場として期待されているが、規模はまだ小さい。腕時計型の売り上げも微々たるもので、「先行するサムスン、ソニーともアップルの参入は脅威ではなく、市場拡大の起爆剤とみていたはずだ」(業界関係者)と推測する。