物に付着したRSウイルスは4~7時間は感染力があるため、乳幼児が触れる物や場所をアルコール消毒するのも有効だ。
■集団生活で罹患率アップ
RSウイルス感染症で、基礎疾患のない乳幼児の重症化原因として挙げられているのが、兄弟姉妹の存在、保育施設の利用、家族の喫煙、母乳期間が短いなどだ。乳児期から保育施設を利用する家庭も増え、集団生活を通じての感染事例も多い。
2歳未満乳幼児の母親1030人(保育施設利用者515人)に行った乳幼児の健康などに関する意識調査(アッヴィ合同会社、東京都港区)によると、RSウイルス感染症と診断を受けたのは全体の9.2%。非利用者の5.4%に対し、利用者は13.6%と、2.52倍だった。感染予防につながる手洗いを実践していたのは全体の26.2%にとどまった。峯真人医師は「RSウイルス感染症は一度で完全な免疫は得られず、何度も罹患(りかん)する子供もいる。集団生活をしている以上、ウイルスにさらされると理解すべきだ」と話している。