首回りなどの、しつこいかゆみや赤みは、汗によって肌が荒れる「汗荒れ」の可能性がある。夏の肌トラブルといえば、「汗疹(あせも)」が知られるが、重症化しやすいのは汗荒れ。皮膚が薄くて弱い所や肌の乾燥している所は荒れやすい。汗をこまめに拭いたり、乾燥を防いだりするなど早めのケアが大切だ。(寺田理恵)
まめに拭く
汗荒れは、汗によって起こる接触性皮膚炎。夏に多い皮膚トラブルの一つで、汗の水分が蒸発すると、汗に含まれている塩分やアンモニアの濃度が高くなり、刺激になってチクチク・ピリピリと感じる。さらに、汗が皮脂と混じってベタついた所に、ほこりなどが吸着し、かゆみを生じることがある。
汗荒れになりやすい部分は皮膚が薄くて弱い所や乾燥している所。首回り、腰回りなど衣服との摩擦や蒸れが起きる部分もなりやすく、かゆみや赤みを伴う。汗が原因だと気づかないことも多く、医療機関で受診しない人が多いとみられる。
「よしき皮膚科クリニック銀座」(東京都中央区)の吉木伸子院長は「汗でかゆくなると『汗疹』と思う人が大半だが、実際は8割以上が汗荒れ。汗疹は、大量に汗をかいたときなどに汗管(汗を排出する管)が詰まるのが原因。汗疹は汗をまめに拭いてもできるが、汗荒れはまめに拭くことで予防できる」と予防の重要性を強調する。