2014.8.10 12:03
■「一人の人」として見る
認知症や介護に関する書籍やDVDの発売が続いている。認知症の人と向き合い、より人間らしい対応を追求する姿勢は各作品に共通する。認知症の人の増加は先進国に共通の課題とあって国際色も豊かだ。11月には日本で認知症の国際会議も開かれる。日本での向き合い方も問われそうだ。(佐藤好美)
フランス生まれの認知症ケア「ユマニチュード」を紹介する書籍『ユマニチュード入門』(2160円)とDVD『ユマニチュード』(4320円)は専門職だけでなく一般の人にも売れており、この手の物では破格の売れ行きという。昨年、「ゆうゆうLife」でも紹介したが、(1)見る(2)話し掛ける(3)触れる(4)立つ-を柱とするコミュニケーションの手法だ。
「福祉の現場では既に行われている」との声もあるが、認知症の人の視線のつかみ方、触れる方法、話し掛けるタイミングなど家での介護でも参考になりそうだ。書籍の編集に携わった医学書院看護出版部の白石正明さんは「医療の世界では『どうすれば縛らないで済むか』という問いは珍しくない。だが、患者との関係性が悪いまま、技術でうまくいくケアはない。ユマニチュードは関係性を良くする技術。関係性が良くなればケアもうまくいく」と解説する。