メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の原因は錯覚にあるかもしれない。車などで移動した際、体も動かしたと思いがちなのもその一例だ。活動量が的確に分かれば、そんな誤解も減り、メタボ予防の一助になるだろう。「小道具」を使って活動量をチェックし、それを励みにダイエットに挑戦した中年男性の例を紹介する。(大家俊夫)
「自分も」と挑戦
都内の出版社に勤務する山田雅庸(まさのぶ)さん(58)の悩みの種は肥満にあった。
「出版社に入った頃はシーズンごとにズボンのサイズが一つずつ上がっていった。夜は締め切りがあると遅くまで働き、食事の量も気にせず、食べたいだけ食べていましたから」。身長は166センチ。入社時の体重は60キロだったが、35年以上を経た今年2月は80キロに迫ろうとしていた。
そんなとき、会社の元部下の女性編集者に社内でばったり会い、「どうしたの? そんなに痩せて?」という会話になった。女性は4カ月で10キロ痩せ、まるで別人のようだった。女性は、自ら編集を手掛けた、東京・青山の鍼灸(しんきゅう)師、王尉青(いせい)氏による『ハリー式ダイエット』の本の内容を実践した結果だという。