免疫の異常で全身の関節に腫れや痛みが生じる関節リウマチ。国内の患者は60万~70万人とされる。最近は治療薬の進歩で、症状を押さえ込むことも可能になってきた。東京女子医大付属膠原(こうげん)病リウマチ痛風センターの桃原茂樹医師に聞いた。(油原聡子)
8割が女性
リウマチは、免疫の異常によって関節内にある滑膜(かつまく)(関節を包む膜)に炎症が起こり、腫れや痛み、こわばりなどの症状が出る。原因は分かっていないが、遺伝や環境などさまざまな要因が考えられている。桃原医師は「遺伝も関わるとされているが、家族がリウマチだからといって必ず発症するわけではありません」と話す。
主に30~50代で発病することが多く、患者の8割が女性だ。悪化すると関節全体に炎症が広がり、軟骨や骨が破壊され、変形が生じ、さらに進行すると、腎臓や肺に合併症が出現し、寝たきりになったりすることもあるという。
リウマチと間違えやすいのが、加齢による関節の痛み「変形性関節症」。「指の第一関節はリウマチになりにくい。第一関節だけ症状があるのなら変形性関節症の可能性が高い。第二、第三関節や手首に症状があるとリウマチの可能性が高くなる」(桃原医師)。リウマチは通常、腫れている部分が軟らかいが、変形性関節症は硬いという。