乳幼児では平均4、5日の潜伏期間後、発熱(38~39度)や鼻水、せきなどの症状を起こし、治まるまで最長2週間かかる。気管支炎や肺炎など下気道炎、無呼吸症状を引き起こしやすいのも特徴だ。海外調査では、1歳までに70%、2歳までに全員が感染。初感染の乳幼児の25~40%が下気道炎になり、0・5~2%が重症化のため、入院するとの報告がある。
生後6カ月以内の乳児や早産児(在胎期間35週以下)、気管支肺異形成症や先天性心疾患、ダウン症などの基礎疾患がある場合、重症化しやすい。こうした「ハイリスク乳児」には抗体製剤が保険適応となる。
峯医師は今月、生後数カ月の乳児をRSウイルス感染症と診断した。乳児は鼻の調子が少しおかしく、朝のミルクを飲んだ後も顔色が少し悪い程度だった。「数時間後に突然、無呼吸症状に陥った、と運ばれてきた。RSウイルス感染症は発熱やせきが必ず出るとは限らず、分かりやすい症状がないまま重症化することもある」。乳幼児突然死症候群の死亡事例でRSウイルス感染が確認されることもあり、乳幼児の体調急変や突然死の原因としても考えられている。