パナソニックがテレビ用液晶パネルの生産から撤退する方針を固めたことが31日、分かった。価格下落が続く中、採算の確保が難しいと判断した。9月末をめどに姫路工場(兵庫県姫路市)での生産を終了する。同工場で働く約1千人の従業員のうち、100人程度を国内の他工場に配置転換する方向で検討を進めている。
パナソニックはすでに取引先に撤退の意向を伝えた。同社が撤退すれば、国内でテレビ用液晶パネルを生産するのはシャープ系だけとなる。パナソニックはこれまでも海外の他社からパネルを調達しており、液晶テレビの生産と販売は継続する。
姫路工場はパナソニックで唯一のテレビ用液晶パネルの生産拠点で、平成22年に稼働を開始。生産した液晶パネルを他社にも供給しているが、テレビ用を中心に激しい価格競争にさらされ、赤字が続いている。同工場では今後、医療機器や車載モニター向けなどテレビ用以外の液晶パネルの生産を行うものの、10月以降の生産量は約4分の1に縮小する方向だ。