2016年3月期の最終損失予想が4700億円になると発表した東芝の室町正志社長は26日午後、記者会見し、「財務基盤が安定化したとは思わない」と述べ、資産売却や収益改善を続けていく考えを示した。自身の進退は「(諮問機関の)指名委員会に預けている」と述べ、指名委の決定に従う意向を示した。
東京電力福島第1原発事故の影響で原発の新規建設が滞り、東芝がWHを買収した際に期待したブランド価値に当たる「のれん代」約3300億円が過大との指摘があったことから、東芝は精査を続けていた。
不採算事業の見直し策として進めている、富士通とVAIO(長野県安曇野市)とのパソコン事業の統合交渉に関して、室町氏は「いったん白紙の状態となっている」と説明した。
連結の売上高予想は東芝メディカルや家電事業の売却により、従来よりも7千億円低い5兆5千億円に下方修正した。