企業価値急落…シャープ身売りの戦犯は誰だ? “演出過剰”額面通り受け取れず (1/5ページ)

2016.5.5 17:04

調印式を行う、シャープの高橋興三社長(右)と鴻海精密工業の戴正呉副総裁(左)。中央は鴻海の郭台銘会長=4月2日、堺市(竹川禎一郎撮影)

調印式を行う、シャープの高橋興三社長(右)と鴻海精密工業の戴正呉副総裁(左)。中央は鴻海の郭台銘会長=4月2日、堺市(竹川禎一郎撮影)【拡大】

  • 質疑応答に応じるシャープの高橋興三社長(右)と鴻海精密工業の郭台銘会長=4月2日、堺市(竹川禎一郎撮影)
  • 調印式を行う、シャープの高橋興三社長(右)と鴻海精密工業の戴正呉副総裁(左)。中央は鴻海の郭台銘会長=4月2日、堺市(竹川禎一郎撮影)
  • 調印式を行う、シャープの高橋興三社長(右)と鴻海精密工業の戴正呉副総裁(左)。中央は鴻海の郭台銘会長=4月2日、堺市(竹川禎一郎撮影)

 既視感、というより似て非なるというべきだろう。経営再建中のシャープは、またもや官民ファンドの産業革新機構が出資する日の丸液晶連合、ジャパンディスプレイ(JDI)への合流を袖にして、台湾・鴻海精密工業と手を組んだ。4年前の合意の振り出しに戻ったかにみえるが、出資比率は解散請求権の生じない10%未満に設定した前回の資本業務提携と違い、議決権ベースで66%を握られる身売りだ。合意株価1株あたり550円は88円へと下がっている。この短期間で企業価値をここまで落とした経営責任は重い。(松岡達郎)

 自立性演出

 「買収ではなく投資だと言いたい。鴻海もシャープも引き続き存続するが、シャープの大株主が鴻海になるということだ」

 4月2日、堺市で会見した鴻海の郭台銘会長は、こう強調し、融和的な態度を演出した。

 共同会見に臨んだシャープの高橋興三社長も「鴻海さんに買収ではなく投資と言っていただいている。自分の足で立たないといけないと思っている」と応じ、経営の自立性が今後も続くことをアピールした。

ただ、これら2人の発言を額面通り受け取ることは難しい

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