シャープの再建は、親会社となる台湾・鴻海精密工業からトップを招いて行われることとなった。2年連続の巨額赤字の計上は、今後のV字回復に向けて赤字を出し切った側面があり、鴻海主導での再建が本格化している。シャープは高橋興三社長が退任を明らかにし、身売り前に最後の“みそぎ”をした形だ。12日に東京都内で開かれた決算会見では、すでに自力再建を諦めたトップの鴻海頼みの姿勢が見られ、主役交代を印象づけた。
「改革は人(の力)による部分が大きく、自分自身では最後までやり切れないことはある。新しい執行部でやっていくと信じております」
決算会見で高橋社長はこう述べ、事実上の「敗北宣言」を行った。2013年の就任から3年。構造改革は遅れ、2期連続の巨額赤字を計上し、ついに債務超過にまで陥った。
高橋社長は赤字については「非常に申し訳なく思っている」と陳謝。ただ就任から3年間の自身の経営責任について問われると「必死にあがいた3年間。今は冷静になってゆっくりと振り返る時期ではない」とかわした。