独自技術こだわったボルボとマツダ 常識を変えたクリーンディーゼルエンジン (4/11ページ)

2016.4.3 17:10

新開発ディーゼルエンジを積んだV40 D4。

新開発ディーゼルエンジを積んだV40 D4。【拡大】

 売上高についても同じ傾向を示している。具体的には、2007年の1216億2000万スエーデンクローナ(SEK)が2008年には約22パーセント減の951億2000万SEK、2009年も957億SEKと低迷。ボルボはもちろん、ジャガー、ランドローバー、アストンマーチン、マツダといったフォードグループ傘下の各社はそれぞれに独自の生き残りを図る道を探りはじめる。(現在の為替レートでは1SEK=14円前後)

 ボルボは生き残りをかけ、その戦略の中核に、エンジンの独自開発を据える。それまでは、エンジンや車台などをフォード・グループの企業共通で使用する方針をとっていたため、気がついてみると、年産わずかに40万台前後という小さな規模にもかかわらず、ボルボ車が搭載しているディーゼルエンジンは3種類、ガソリンエンジンに至っては5種類もあった。

 エンジンの気筒数も直列4、同5、V型6など様々だった。これでは効率の悪い多品種少量生産そのものであり、決して短期間で大幅な業績改善回復ができるとは期待できない。そこでボルボは、2009年初頭、フォードからの自主独立路線の確立をめざして、新たな経営基盤整備に着手するのを機に(2010年8月にジーリーホールディンググループ傘下企業となる)、新しいエンジンの開発で独創的な方針を打ち出す。

「新エンジンは4気筒に特化する。排気量は2L以下に限る」という思い切った方針

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