従来、ボルボの自動車の安全技術にこだわる姿勢には定評があり、現在も、「2020年までに新しいボルボ車において交通事故による死亡・重傷者をゼロにする」(ビジョン2020)を同社の目標として掲げている。この目標に加え、今度は先端技術にもこだわる姿勢を見せ、自動車の心臓部であるエンジンそのものを自社開発し、ガソリンとディーゼル両方のエンジンをつくりあげた。
これには少なからず驚かされた。というのも、同社の事業規模はそれほど大きいものではなく、2015年の同社世界総販売台数は、1927年に自動車の製造を開始して以来初めて50万台を越えた(正確には50万3127台)程度だ。大手の自動車企業と違って、こうした小規模な生産にとどまっているメーカーにとっては、多額の開発資金をつぎ込んでガソリンとディーゼル両方のエンジンを自社開発するのは、決して負担の軽い話ではない。
ところが、そんなボルボが、今回のディーゼルエンジンをガソリンエンジンと同時に自社開発した、という。