【宮脇】とにかく、徹底的にばらつきを減らして、常にお客さまにとっての最適値を狙う、これが私どもの目標です。各数値が設計・生産の許容範囲におさまっていることだけで、満足はしません。生産での管理の実力を“ここまで追い込める”と開発にフィードバックして、次の設計でさらに上を狙えることにつなげたいのです。そうすれば、開発も楽になるでしょうし、それによって性能向上が図れます。指示された通りにつくる、だけでは終わりません。
--スカイアクティブのガソリンエンジンは高い圧縮率に代表されるように斬新な発想でできあがっています。その意味では初めて世に出たエンジンにもかかわらず、信頼性に関してこれまで芳しくない評判を聞いた記憶がありません。この点でなにか力をお入れになったことがありますか。
【宮脇】圧縮比を上げること自体は生産上、それほど難しくはありません。難しいのは、圧縮比が高くなるほど、ばらつきの管理が難しくなる、ということです。言い換えれば、ばらつきが大きくなればなるほど圧縮比の数値も大きく変動するのです。そこで、管理するべきポイントを探り当て、追い込んでいきました。だから品質が安定しているのだと思います。