--新型ロードスターの試作車のデザインを、生産部門の人たちに対してプレゼンテーションした、これで関係する部門の人たちの意識がひとつにまとまった、という趣旨のことを主査の山本さんがお話になっていました。
【藤井】そうです、あのとき以降、意識は変わりましたね。昔は、提示されたデザインを見て、たとえば、「その部分はそんなに絞れないぞ」で話は終わっていましたから。
【宮脇】今では、デザインと密接なつながりのある車体部門だけでなくエンジン生産の人たちも、デザインセンターに見に行っていますよ。
「これのエンジンをあんたらは、立ち上げんといけんのよ」
「ロードスターに、しょうもないエンジンなんか積むわけにはいかん」
じゃぁ、どンだけ真剣に考えてエンジンつくろうか……、という話になりますね。
ちょっと前までは、エンジン生産にいたら、開発中のクルマを見ることもありませんでした。だから、量産の間際になって、「このモデルに積むンか」といった調子です。