--マツダ車の一新を目的にしたスカイアクティブ技術の開発を支える「モノづくり革新」を推進する上で、生産と開発両部門のコミュニケーションあるいは協力態勢がよりオープンで強固なものになっていったと理解しています。その象徴的な施策に、生産部門に配属された新人エンジニアが、開発部門に最初の3年間研修に出る、というプログラムがあります。今でもこのプログラムは継続中ですね。この効果はいかがですか?
【小川】正式には2008年から始まっています。これによって、開発と製造の距離が非常に縮まった印象が強いですね。研修経験者は開発のプロセスを理解して戻ってきていますから、そのおかげで、ある課題を与えられたとき、どこを検討し対策すれば解決策が見いだせるという見通しがたてられます。両部門の互いの検討速度も上がるし、協力の質も高くなります。
生産と開発の組織の壁はなくなった
--3年間研修の経験を積むと、研修先の開発の人たちと、個人的な仲間意識も強くなるのではありませんか。
【小川】個人的にも日常的にもメールや電話でいろいろなことを聞いたり相談したりしているようです。その意味でも、組織の壁がなくなっていますね。