サントリー強気勝負の裏側 “ビーム社争奪戦”割高でも負けられない (2/5ページ)

2014.1.26 07:00

 国内市場が先細りする中、サントリーは海外の大型買収に積極的だ。2009年に仏オランジーナ・シュウェップス・グループを約3千億円で買収。13年には子会社のサントリー食品インターナショナルが、英製薬大手グラクソ・スミスクラインの清涼飲料事業を約2千億円で取得した。

 だが、蒸留酒分野での買収はこれまで、英国のスコッチブランドなど中小メーカーのみ。消費者が実際に口にする食品や飲料は、愛着や安心感を生み出すブランドの力が市場攻略の決め手となるケースが多いうえ、世界の蒸留酒市場は有名メーカーによる寡占化が進んでいる。中小の買収だけでは存在感を高められない状況の中、世界企業を目指すサントリーにとって、ビーム社は“のどから手が出るほど”欲しかった会社だったのだ。

 買収額は高すぎる?

 今回の買収額は、最近の日本企業による海外企業の大型買収では、ソフトバンクよる米スプリント・ネクステル(約1兆8000億円)に次ぐ規模。サントリーはビーム社の全発行済み株式を、過去3カ月の平均株価を24%上回る1株あたり83・5ドルという高額で買収する。大幅上乗せでの全株式取得には、業界から驚きとともに「割高だ」との指摘がある。

「ビーム社には将来性がある。EBITDAも今後増える」

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