ビール大手4社による「プレミアム戦争」の幕が開こうとしている。業界首位のアサヒビールと2位のキリンビールが本格参戦、先行するサントリー酒類とサッポロビールに挑む。高齢化や嗜好(しこう)の多様化からビール類の消費量は今年も減少し10年連続で前年割れとなる見込み。対照的に人気が高まるプレミアムビールでの攻防は、各社にとって負けられない戦いとなる。
「プレミアム版を発売すべきかどうか、かなり悩んだ」
今月10日、キリンの磯崎功典社長は年間方針の発表会見で、「一番搾りプレミアム」の発売についてこう打ち明けた。
看板商品「一番搾り」は価格こそ350ミリリットル缶で200円余りとレギュラー水準。だが、原料から最初に抽出した麦汁だけを醸造するという「そもそもプレミアムなビールと自負してきた」(磯崎社長)だけに、ゴーサインを出すまでに時間がかかったという。
「ドライプレミアム」の一般販売を2月18日に始めるアサヒも似ている。昨年6月のギフト用発売から8カ月を費やした。