今年2月、スターバックスCEOのシュルツ氏がミラノにも出店すると発表した。来年にも進出すると見込まれている。
しかし外野席はざわついている。「エスプレッソの本場であるイタリアで、スターバックスのコーヒーが受け入られるのか」「立ち飲みで短い時間でコーヒーを飲む習慣に馴れた人たちが長居するのか」「飲食のチェーン店は成功しない」という意見がある。
一方、以下のような声もある。
「既にアメリカ発のカフェはミラノに定着しており、市場があるのは見えている。スターバックスのコーヒーはイタリアのエスプレッソとは別カテゴリーと考え、いわば紅茶や緑茶を見るような目でスターバックスのコーヒーをとらえている。Wi-FiがあるところでPCを広げて作業し、そこで人とも会う。そういうライフスタイルとしてのスターバックスなんだね」
スターバックスがイタリアに何店舗出さないと事業として採算が合わないかは知らない。主力商品の値段がいくらかになるかも分からない。一号店はエスプレッソを中心としてカウンターだけにするとの情報もある。
いずれにせよ、ミラノに数店舗出すことが特に不自然ともみられない時代になったのは確かだ。以前からあるイタリア文化に合わないとの否定的意見が傍流になったとは言わない。しかし肯定的な意見も多くなり、それらに説得性が出てきたとは断言できる。
機が熟した、とスターバックスが判断したとしても違和感を抱かない。