スターバックス、本場イタリアでも勝機あり? バール崩壊、Wi-Fi…条件整う (3/3ページ)

2016.4.17 06:00

スターバックスのロゴ

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 スローフード運動は1980年代後半、イタリアにマクドナルドが進出してきた際に反動としておきた。米国発のファーストフードに対する社会運動である。今もって、「スターバックスは米国文化の侵略だ」と言う人もいるが、前述したように伝統的バールが市場の変化に対応している現状をみるに、少なくてもミラノ中心部の文脈にはあてはまらない。

 イタリア人のある友人はこう語った。

 「外国のスターバックスにいくと、イタリア人がうじゃうじゃいて喜んでコーヒーを飲んでいるじゃない。イタリアのエスプレッソは世界一美味いと自負している人たちが、そういう行動をとっている意味を考えるべきだね」

 

 スローフードがスタートしてから約30年。ちょうど1世代という年月である。米国とイタリアという2つの文化が変化した結果として、今回のスターバックス進出をおさえると見えてくることは沢山ある。

 古典的な言い訳に誤魔化されてはいけない。

(安西洋之)

 ローカリゼーションマップとは? 異文化市場を短期間で理解するためのアプローチ。ビジネス企画を前進させるための異文化の分かり方だが、異文化の対象は海外市場に限らず国内市場も含まれる。

 安西洋之(あんざい ひろゆき) 上智大学文学部仏文科卒業。日本の自動車メーカーに勤務後、独立。ミラノ在住。ビジネスプランナーとしてデザインから文化論まで全方位で活動。現在、ローカリゼーションマップのビジネス化を図っている。著書に『世界の伸びる中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?』『ヨーロッパの目 日本の目 文化のリアリティを読み解く』 共著に『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか? 世界で売れる商品の異文化対応力』。ローカリゼーションマップのサイト(β版)フェイスブックのページ ブログ「さまざまなデザイン」 Twitterは@anzaih

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