救済策として、当選者の順位を事前に決める拘束名簿方式を導入し、名簿上位に優遇することで救済する案が検討されたが、共同提出した野党の反発で改正案に盛り込むことができなかった。このため、比例代表に転出させ、業界団体の支持を取り付けて支援を受ける案も浮上しているが、“確実”に当選するとはいえず、救済策づくりは難航している。
参院82議席が必要
今回の公選法改正は、党内の候補者調整だけにとどまらず、なにより来夏の次期参院選後の党勢にも影響する恐れがある。定数が10増するのは都市部で、10減は自民党議員の多い地方だからだ。「合区を進めれば、損をするのは自民党だけ」(自民党参院若手議員)と懸念する声も聞こえる。
しかし、次期参院選後に首相が見据える憲法改正を国会が発議するには、衆参両院の3分の2以上の賛成が必要。衆院(定数475)では与党に加え、憲法改正を目指す次世代の党を合わせれば327議席で3分の2を超えるが、参院(定数242)は大きく下回る。来夏の参院選で非改選は3党で80議席だから、3分の2以上の162議席を確保するには82議席が必要になる。