衆院厚生労働委員会で労働者派遣法改正案の採決が翌日に行われるとみられていた今月11日。民主党代議士会後に若手議員同士が、こんな会話をしていた。
「あすは強行採決だ!」
「破れやすいスーツを着ていかないといけないな!」
暴力沙汰を予見して楽しそうに話し合う2人は、国会を「ケンカ祭り」か何かと勘違いしているようだった。そして、予見は当たった。
民主党議員は12日、大挙して厚労委の委員室前に押しかけ、渡辺博道委員長(自民、64)の入室を阻止しようとした。もみ合いの末に渡辺氏は入室したが、首などを負傷した。しかも民主党は事前に配置図などを記載した「作戦メモ」作成し、渡辺氏の入室阻止や審議妨害の段取りを確認していた。
渡辺氏は混乱を回避するため、この日の採決を見送ったにもかかわらず、計画的な暴力による審議妨害だけが実行された。気に入らないから暴力で阻止する姿勢は議会人の風上にも置けない。実に恐ろしい発想だ。