維新の党最高顧問の橋下(はしもと)徹大阪市長(45)が掲げた「大阪都構想」が17日の住民投票の結果、反対多数で否決された。これを受けて、橋下氏は12月の市長任期満了で政界を完全に引退すると明言した。「同志」と評価してきた安倍晋三首相(60)にとって、大きな痛手となるのは間違いない。
“痛手”は、単に今後予想される維新の低迷に伴う「憲法改正勢力の後退」という点にとどまらない。なぜなら、橋下氏は憲法改正以外でも首相と多くの理念を共有し、野党ながら背中を押してきたからだ。
例えば教育改革だ。橋下氏率いる地域政党「大阪維新の会」の主導で大阪府と大阪市は2012年、教育行政への首長の関与を強める教育基本条例を施行した。これを首相は「まさに安倍政権が改正した新教育基本法の精神を教育現場でいかに実践していくかというものだ」(12年8月27日付の産経新聞インタビュー)と絶賛した。