民主党議員は質疑が始まっても着席せず、壁際に立ってやじを飛ばし続けた。民主党の質問時間になっても質問せず、傍聴席に向かって政府批判の演説をぶつ議員もいた。民主党議員が質問しないので、安倍晋三首相(60)は約1時間、ルールも礼節もない無法地帯で着席したまま無為に時間を過ごした。
民主党は少なくとも暴力行為は謝罪するかと思いきや、反応は全く逆だった。
首相は17日の党首討論で、岡田克也代表(61)に対し、「委員長の入室を暴力を使って阻止した。議論を抹殺するもので極めて恥ずかしい行為だ」と批判した。すると岡田氏は「強行採決をしないと約束するか。それをせずこちらだけ責められても困る」と開き直った。
強行採決は国会で珍しくなく、民主党政権も積極的に多用した。鳩山由紀夫政権の2010年3~5月の約3カ月間には10回も行った。「民主党の強行採決は正しいが、自民党の強行採決は正しくない」という発想は、とうてい常識人には理解できないものだ。見事なブーメランである。