安倍晋三首相が日本最大の労組中央組織、日本労働組合総連合会(連合)の分断作戦を本格化させている。連合は民主党最大の支持団体であることから、安倍首相は連合内の右派に接近して左派との分裂を誘い、民主党の弱体化を図ろうとしているのだ。連合内の右派には集団的自衛権の行使容認、原発肯定、憲法9条改正への賛成派が多く、政治理念は意外にも安倍首相と近い。このため、公務員労組などの連合内左派が警戒を強めている。
次期ナンバー2と密会
安倍首相は6月26日夜、連合傘下でスーパーや繊維系の労組などで構成する産業別労組「UAゼンセン」の逢見(おうみ)直人会長と首相公邸でひそかに会談した。政府は原則的に歴代首相との会談相手をマスコミに公表している。ところが、26日夜に限っては、安倍首相の公邸入り以降の動静が保秘扱いとなり、公にされなかった。