逢見氏は、民主党を支援する民間最大の産業別労組のトップ。連合ナンバー2の事務局長に10月に就任することが、会談の数日前に内定したばかりだった。
会談では、今国会で議論されている労働法制改革をめぐり意見交換し、安倍首相が協力を求めたとみられる。
企業が派遣労働者を受け入れる期間の制限を事実上撤廃する労働者派遣法改正案について、安倍政権が成立を目指しているのに対し、連合は民主党と足並みをそろえ強く反対している。安倍首相側に民主党を揺さぶる狙いがあったのは明白だった。
そもそも、連合内ではUAゼンセンなど民間労組中心の右派(旧同盟系)と公務員労組中心の左派(旧総評系)が牽制(けんせい)し合っている。このため、左派の労組幹部は「連合が政府に政策を要求することは大切だが、逢見氏のようにコソコソやることではない」と不快感を示した。