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【安倍政権考】安保法制論議 いつまで続く本質から外れた「リスク」論 (1/3ページ)

2015.6.15 15:30

答弁をめぐり再三審議が中断した衆院平和安全法制特別委員会。左から岸田文雄外相、中谷元(なかたに・げん)防衛相=2015年6月10日午後、国会・衆院第1委員室(酒巻俊介撮影)

答弁をめぐり再三審議が中断した衆院平和安全法制特別委員会。左から岸田文雄外相、中谷元(なかたに・げん)防衛相=2015年6月10日午後、国会・衆院第1委員室(酒巻俊介撮影)【拡大】

 集団的自衛権の行使容認を含む安全保障関連法案をめぐる国会審議は、安倍晋三首相(60)が先の訪米で公約したように今夏までに成立させたい政府・与党に対し、民主党をはじめ野党は廃案に追い込みたい考えだ。しかし、国会の論戦からは、この国をいかにして守り抜くのかという根本的な視点が欠けている。

 堂々めぐりの議論

 「厳しい現実から目を背けることはできない。日本人の命と平和な暮らしを守るため、あらゆる事態を想定し、切れ目のない備えを行う」

 安倍首相は5月14日、安保関連法案の閣議決定後、記者会見に臨み、その必要性を強調した。確かに日本の防衛に関する法制にはいくつもの「切れ目」が存在する。安保関連法案の主眼は、この「切れ目」をなくし、あらゆる事態に対して国家と国民を守れる防衛体制を構築することだ。

 背景には、軍事的膨張を続ける中国と北朝鮮が東アジア情勢を緊迫化させているほか、地球規模で国際テロや紛争が起きるリスクが、これまで以上に高まっていることがある。こうした脅威に対して、抑止力を高めるには、集団的自衛権行使の限定的な容認をはじめ、自衛隊の役割を拡大し、米国との同盟関係をより強固にすることが求められているのだ。

国民に訴えるべきは、安保関連法案の意義である

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