安倍晋三首相(60)は、日本の首相として前例のない米議会上下両院合同会議での演説「希望の同盟へ」で、米国から高い評価を勝ち取った。敵対国から同盟関係になった日米の「心の紐帯(ちゅうたい)」を訴え、新時代の日米関係へ導いた安倍演説は、米国を引き寄せた歴史的成果として日本外交史に刻まれるはずだ。
演説後も称賛
首相の演説は約45分にわたった。実は予定時間より5分オーバーしている。首相は演説に際し、何度も予行練習を重ねた。それでも予定通りいかなかったのは、スタンディングオベーションが14回もあったからだ。
スタンディングオベーションには、米議員団の「外交的儀礼」と冷ややかな見方もある。だが、演説後の様子からも称賛は明らかだ。演説を終え、議場を引き揚げようとする首相の回りには人だかりができ、多くの議員が握手を求めた。なかにはサインをねだる議員もいたようだ。おかげで首相は10分以上も議場から出られなかった。少なくない米議員が演説を「評価」したのは間違いない。
演説場所の下院本会議場は500人を超える両院議員で埋め尽くされ、2階の傍聴席もほぼ満席だった。
「みなさま、いまギャラリーに、ローレンス・スノーデン海兵隊中将がお座りです」