安倍晋三首相(60)は20日、今国会初の党首討論に臨み、政府が国会提出した安全保障関連法案などをめぐり民主党の岡田克也代表(61)ら野党3党首と論戦を繰り広げた。首相は新たな安保法制に関し「一般に海外派兵は許されていない。武力の行使、戦闘行為を目的として海外の領土、領海に入ることは許されない」と述べ、自衛隊の海外活動の拡大に理解を求めた。
首相は、岡田氏の「安保法制の見直しで平和憲法が揺らぐのではという不安が国民の中にある」との指摘に対し、従来の安保法制では「(他国軍への)後方支援で自衛隊が機敏に活動できない」と説明。「戦闘に巻き込まれることがないような地域をしっかり選ぶのは当然だ」と語った。
「米国の戦争に巻き込まれる」との批判には「日本の意思に反して戦闘行動に巻き込まれることがないのは当たり前のことだ。あり得ない」と反論した。
また、維新の党の松野頼久代表(54)は拙速な法案審議を戒め、今国会成立にこだわらない対応を要求。改憲には「胸襟を開いて話し合おう。首相も戦後70年の節目に堂々と(方向性を)出してほしい」と積極的な姿勢を示した。これに対して首相は「決めるべきは決め、やるべき立法は作っていくという姿勢が大切だ」と述べ、今国会成立に意欲を示した。