イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」が27日深夜、人質としている後藤健二さん(47)の殺害を猶予する期限として、新たに「24時間」を突きつけた。ヨルダン政府が後藤さん解放の条件である死刑囚の釈放に同意したとするアラビア語メディアの報道もあったが、真偽は不明。期限とみられる日本時間の28日深夜が刻々と迫る中、後藤さんの知人らは焦りを募らせ、生命を弄ぶイスラム国に怒りを募らせた。
「何も手につかない」
「後藤さんは2回も画像に登場させられ、自らの意思ではない文章を読まされている。なぜ、こんな理不尽なことの道具に使われなければならないのか」
後藤さんと番組を制作した経験のある元NHKプロデューサーで武蔵大教授の永田浩三さん(60)は怒りをあらわにした。
フリージャーナリストとして、たびたび紛争地域で取材していた後藤さん。視線は戦闘そのものよりも、紛争に巻き込まれて苦しむ子供ら弱者に向けられていた。
そんな後藤さんが人質となり、取引材料として使われている。「24時間」の期限が迫る中、永田さんは「気が気でなく、仕事や他のことが何も手につかない」という。