民主党は共産党とともに平和安全法制特別委員会など衆院の他の4委員会も欠席。質疑を求めながら質疑をせずに審議を妨害する“矛盾”について、民主党の岡田克也代表(61)は12日の記者会見で「こういったやり方も場合によってはやむを得ない」と正当化した。
民主党がここまで強気なのは、安全保障法制をめぐる安倍政権への世論の反発が高まっているとにらんでいるからだ。第1次安倍政権を「消えた年金」問題の末に退陣に追い込んだ再来を狙おうとの思惑もあり、野党路線を貫いたわけだ。
安保法案に影響懸念
一方、与党は採決先送りで事態の収拾に動いた。派遣法改正案を12日の厚労委で可決した場合、本会議の採決は16日となる見通しだった。だが、16日の本会議では、今月1日に70歳で亡くなった町村信孝前議長の追悼演説が予定され、「波静かに迎えたい」(派閥領袖級)との配慮もあった。