衆院平和安全法制特別委員会は27日、安倍晋三首相らが出席し、集団的自衛権の行使容認を含む安全保障関連法案の実質的な審議を始めた。
首相は憲法9条の下で日本の防衛態勢を規定してきた「専守防衛」について「今回の(法制)整備にあたり、専守防衛の考え方は全く変わりない」と述べ、集団的自衛権の限定的な行使は専守防衛を逸脱していないと強調した。
政府は、新たな憲法解釈で、単に他国が攻撃されただけでは集団的自衛権は発動できず、その攻撃により「わが国の存立が脅かされる」ことなどを武力行使の要件としている。首相は「日本と密接な関係にある他国への武力攻撃で、日本の存立が脅かされる。(攻撃から)防衛するのは専守防衛だ」と答弁した。
また、専守防衛の枠内で集団的自衛権を行使できる例として、中東地域のホルムズ海峡での機雷掃海を挙げ、「現在、他の例は念頭にない」と述べた。
野党側が「戦闘継続中の機雷掃海は危険だ」と指摘していることを踏まえ、首相は「実際のオペレーション(作戦)は政策的な判断で、戦闘が行われていない時しか実施しないだろう」との見解を表明。具体的な状況として「停戦合意が事実上なされていても、法律上は成り立っていない場合がある」と指摘した。