集団的自衛権の行使容認を含む新たな安全保障法制の関連法案が26日、衆院本会議で審議入りした。安倍晋三首相(60)は「グレーゾーンから集団的自衛権まであらゆる事態に切れ目のない対応を行うことが可能になる」と法案の意義を説明し、「今国会での確実な成立を期していく」と早期成立に意欲を示した。
その上で「現在の法制では日本のため任務につく米軍が攻撃を受けても日本は何もできない。日米同盟が完全に機能すると示すことで抑止力が高まり、日本が攻撃を受ける可能性は一層なくなる」と述べ、抑止力強化の必要性を訴えた。
集団的自衛権を含む武力行使の新3要件については「国際的にも例のない厳しい基準で、恣意(しい)的に解釈できるものではない」と強調。行使の具体例に機雷掃海を挙げ「民間船舶の防護が目的だ」と述べた。また「イラク戦争のように敵地に攻め入る行為への参加は憲法上、認められない」と重ねて説明した。
法案は武力攻撃事態法など改正10法案を一括した「平和安全法制整備法案」と、国際平和のために活動する他国軍の後方支援を随時可能とする新法「国際平和支援法案」。27日に衆院平和安全法制特別委員会で実質的な審議が始まる。