Bさん曰く「すべてのお客さまのことはいつも頭の中に入っています」とのことでした。お客さまのことは、誕生日などの情報はもちろんですが、過去にその人に販売した服のデザインや色などを全部覚えているというのです。
「だから、ミラノやパリへ商品を仕入れにいく際、あのお客さまにはこのコートを、あのお客さまにはこのスカートを、と頭の中のデータと照らし合わせて購入します」
Bさんはそう断言しました。頭の中でコーディネートしているのです。
さらに驚いたのは、事前にお客さまのリクエストを聞いて仕入れるのではないということ。売れなければ、不良在庫。仕入れるのは1着数十万円もする高級ブランド品ばかり。かなりのリスクを負うことになります。思わず聞いてしましました。
「そうやって仕入れた商品を、お客さまは本当に買われるのですか?」
「90%以上の商品はご購入いただけます」
なんという「的中率」でしょう。この高率を達成できるのは、「お客さまを知り尽くしているからでしょうか」。Bさんは淡々と語りました。