27人に1人、約114万人が「ブラック就業者」
ブラック企業--。
従業員をメチャクチャに酷使し使い捨てる企業ですが、こういう阿漕な組織で働いている人間はどれほどいるか。この点に関する統計はありませんが、ブラックな働き方をしている人の数は、官庁統計から知ることができます。私生活、場合によっては生存が脅かされるほど、長時間労働をしている人たちです。
総務省の『就業構造基本調査』では、「年間就業日数×週間就業時間」のクロス表が掲載されています。年間200日以上の規則的就業をしている正規職員に限ると、集計対象は3092万人です(2012年)。この正社員3092万人について、就業日数と就業時間をビジュアルに表現すると、図1のようになります。
全体の正方形(3092万人)を、「就業日数×就業時間」の群で区分けしたグラフです。各群の比重が視覚的に分かる仕掛けになっています。
最も多いのは、年間250~299日・週43~59時間就業の群で、全体の27.4%を占めています。月22日(週5日)、1日10時間くらい働いている人たちですが、普通のリーマンはこんなところでしょうか。次に多いのは左下の群。法定に近い「ホワイト」な働き方をしている人たちとみてよいでしょう。全体に占める割合は19.3%、およそ5人に1人です(少ない……)。