「信用第一」という言葉は、使い古された商売上の慣用句ですが、時代は変われども、これに勝る真理はない。僕は常々そう思っています。
「この人は信頼が置ける」「相談に乗ってくれる」「任せられる」「嘘をつかない」……そのような信頼や信用があれば、自然と客が客を呼ぶ好循環になるのです。Aさんは顧客ひとりひとりの誕生日や結婚記念日はもちろん、顧客の家族の情報も把握し、子どもが進学した際などにはプレゼントを欠かしません。そんな「サービス精神の旺盛さ」にも器の大きさを感じます。
別の講演会で、都内の大手百貨店のカリスマ販売員Bさんにお会いしたこともあります。40代くらいの女性で、洋服を売るのが仕事。月平均の売上は数千万円だといいます。
このBさんの信条も、やはり「信用第一」。全国にいる自分自身の顧客は200~300人。その多くは、女性実業家や病院長夫人など「お金を山ほど持っている人たち」ですが、売りつけようといった姿勢は微塵もありません。
Aさんとの共通点のひとつは、舌を巻くほどの記憶力です。