次のような事情があったのです。社会人になったばかりの開業医の甥に「いい保険を(知り合いの若者に)教えてやってよ」と乞われたものの、自分が扱う商品の保険料は少なくとも月1万~2万円はかかる。その若者の手取り月収は約15万円。また、そうした低収入は若い世代共通のものだということも分かった。
そこで、よりリーズナブルで商品としてもしっかりしているライフネット生命の商品を紹介したい、ということだったのです。Aさんは言いました。
「必要以上に高い保険をすすめても(自分が得るコミッションは増えるけれど)、私の評判が落ちるだけですからね。若い世代が、立派に成長して出世したら、また改めて紹介ができるのですから」
300人の顧客のデータは「頭の中に」
生命保険に限らず、どのビジネスでも優秀なセールスパーソンは目先の利益を考えません。彼らが常に意識しているのは「信用第一」。英語で言えば、「レピュテーション(評判・評価)」。