科学的根拠
研修の拠点となっているのは、総合施設「あいち健康の森健康科学総合センター」(愛知県東浦町)だ。プールやフィットネスルームを備え、施設でトレーニングをした県民のデータを生かしながら健康づくりのプログラムを開発、市町村や企業に提供している。
内科医出身の津下一代センター長は、生活習慣病予防の研究・実践分野の第一人者で特定健診・保健指導の制度設計に関わった。研修プログラムの監修も手掛けている。内臓脂肪の蓄積から生活習慣病発症に至るメカニズムや、運動と食事が健康とどれだけ密接に関係しているかなどを科学的根拠に基づき解説する内容となっている。
津下センター長が研修で特に強調しているのは、「健診データに基づき、一人一人に合った生活習慣の改善」の大切さだという。
体重をどの程度減らせば、病気のリスクが低くなるのか。科学的なデータを示さなければ、具体的な保健指導はやりにくい。また、根拠のある指導でなければ、取り組む本人が途中で挫折してしまう。研修ではどのように指導すれば、挫折せずに取り組んでもらえるのか、その方法にまで踏み込んでアドバイスしている。また、研修生自身が同センターの施設でトレーニングを体験、効果を実感できるよう工夫もしている。