大腸がん、検診で早期発見を 初期はほぼ自覚症状なし…進行気づかず (1/4ページ)

2015.5.24 17:03

 俳優の今井雅之さん(54)が4月に会見し、ステージIVの大腸がんであることを告白した。やせ細り、か細い声で病状を説明する姿に、ショックを受けた人も多いだろう。大腸がんは、比較的治りやすいがんの一つだが、初期には自覚症状がほとんど出ないこともある。専門家は早期発見のため、定期的に検診を受けるよう呼びかけている。(油原聡子)

 男性の11人に1人

 大腸は、小腸を取り囲むように存在する全長約1・5メートルから2メートルの管状の臓器だ。大きく分けて、結腸と直腸に分かれており、消化の最終段階を行う。結腸では水分を吸収して便を作り、直腸では便をためる機能がある。

 大腸がんは、大腸の内側の表面にある粘膜に発生する。食の欧米化などにより、近年増加傾向にある。国立がん研究センターの平成23年のがん登録データから推計すると、生涯で大腸がんに罹患(りかん)する確率は、男性が11人に1人、女性が14人に1人。身近ながんの一つだ。

 がん研有明病院消化器センター大腸外科部長の上野雅資医師は「年齢が高いほど罹患しやすい」と指摘する。40代後半から増加し、同病院で手術を受ける人の平均年齢は60代前半だという。

「症状が表れた頃には、がんが進行してしまっていることが多い」

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