俳優の今井雅之さん(54)が末期の大腸がんであることを告白してから、わずか1カ月。復帰に意欲を見せていただけに、今井さんの訃報の衝撃は大きい。大腸がんは、日本人男性の11人に1人がかかるといわれる身近ながん。初期はほとんど症状が出ないだけに、医師からは早期発見の大切さを訴える声が上がっている。
自覚症状出ず
大腸がんは、大腸の内側の表面にある粘膜に発生する。食の欧米化などにより近年増加傾向にある。国立がん研究センターの平成23年のがん登録データから推計すると、生涯で大腸がんに罹患(りかん)する確率は男性が11人に1人、女性が14人に1人だ。
がん研有明病院消化器センター大腸外科部長の上野雅資医師は「年齢が高いほど罹患しやすい」と指摘する。40代後半から増加し、がん研有明病院で手術を受ける人の平均年齢は60代前半だという。