人間の腸内にいる多様な細菌のバランスを保つことが、健康維持に重要な役割を果たすことが知られている。そうした中、いろいろな食材を少しずつ食べる和食のスタイルが、腸内細菌のバランス維持に寄与していることが最近の研究で分かった。専門家は「和食を多く取り入れると、肥満やメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の予防・改善に効果が期待できる」と話している。(山本雅人)
臓器の負荷軽減
東北大大学院農学研究科の都築毅准教授は、食事を取った際、体の中で食材ごとに消化・吸収のために働く部分や経路が異なるメカニズムに着目した研究を行った。その結果、少量ずつ多種類の食材を取ると、異なる消化・吸収機構で処理され、特定の臓器への負担が減少することを突き止めた。
いろいろな食材を少しずつ取るには、サバのみそ煮、五目豆、ハクサイとワカメのすまし汁にご飯といった伝統的な和食のメニューが理想という。