仕事や勉強の最中に小腹がすいたと感じたとき、悩ましいのは「間食」の甘い誘惑だ。「太るけどやめられない」という人も多いのではないだろうか。だが、食べ過ぎずに健康的な間食をとる方法もある。眠気を吹き飛ばし、集中力アップにも役立つという。
「賢い間食のとり方は『血糖値を乱高下させないものを選ぶこと』。これに尽きます」と話すのは、しんクリニック(東京都大田区)院長で糖尿病専門医の辛浩基さん。
つい口ざみしさから甘いお菓子に手を伸ばしたり、手っ取り早くおにぎりやパンで済ませたりすると、血糖値を一気に上げやすい。こうした食品は「糖質」が多く、急激に摂取した場合、膵臓からインスリンが大量に分泌され、上昇した血糖値は急降下。つまり乱高下し、「かえって集中力の低下や眠気を招くことがあります」。
そもそも脳は、糖質が消化されてできるブドウ糖を唯一のエネルギー源としている。血糖値が急に下がればブドウ糖が少ない状態に陥り、脳の活動が鈍くなってしまうからだ。
ではどうすればいいのか。「食べてから血糖値が上昇するまでのスピードを表す『GI値』を低く抑えることです」と辛さん。GI値が低いものを食べると、血糖値は時間をかけて緩やかに上昇・降下するため、空腹や眠気を感じにくくなる。腹持ちが良く食べ過ぎずに済み、集中力を維持できるという。