バリアフリーの住まいでスタッフが安否確認などを行う賃貸住宅「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」が増えている。原則60歳以上なら入居でき、高額な入居一時金がかからないなどのメリットが注目されるが、一方で、サービスの内容や質にばらつきがあるのが現状だ。専門家は「入居前にサービス内容をよく確認してほしい」と呼びかけている。(岸本佳子)
最期まで住みたい
大阪市住吉区の「グルメ杵屋社会貢献大領の家」。全50戸の居室をもつサ高住だ。介護職員が24時間フロアに常駐し食事や入浴などの介護を行う「介護型」と「住宅型」。住宅型は介護職員の常駐はないが、各部屋に24時間対応の緊急通報用のボタンを設置している。入居時は元気でも介護が必要な状態になれば、同じ建物内の訪問介護事業所か、外部の事業所を選んでサービスを受けることができる。
坂本ヒサ子さん(79)は住宅型に入居して1年2カ月。以前はマンションで1人暮らしだったが、体調を崩し、心配する周囲の勧めもあって入居することを決めた。