【おっぱいのチカラ】(5)消えた「断乳」…自然に離れる「卒乳」が主流に (1/3ページ)

2014.9.13 17:05

現在使われている母子健康手帳の一つ。1歳と1歳半で、母乳を飲んでいるか否かを確認する欄があるだけだ

現在使われている母子健康手帳の一つ。1歳と1歳半で、母乳を飲んでいるか否かを確認する欄があるだけだ【拡大】

 「タイミングを探っているけれど、その日は突然来るかもしれません」

 大阪市城東区のカメラマン、馬場畑彩さん(36)は授乳をしながら、第2子の長女をいとおしそうに見つめた。もうすぐ5歳。3歳の妹と一緒におっぱいを飲み続けている。

 無理にやめない

 平成14年4月、母子健康手帳から1歳での「断乳」という言葉がなくなった。19年3月に厚生労働省が出した「授乳・離乳の支援ガイド」では「離乳の完了」は生後12~18カ月ごろとしつつ、「離乳の完了は、母乳または育児用ミルクを飲んでいない状態を意味するものではない」と記述。現在の母子健康手帳には、母乳を飲んでいるか否かを確認する欄があるだけだ。

 主流になりつつあるのは、1歳以降も無理に母乳をやめる必要はないとする考え方。長く母乳を飲んでいた子ほど認知能力が高く、成長してから生活習慣病のリスクが低下するという研究もあり、WHO(世界保健機関)は2歳以降まで母乳を継続することを推奨している。年齢にかかわらず、子供が自然におっぱいから離れるのを待つ「卒乳」が広がり始めた。

「タンデム授乳」もよくみられる光景

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