単身女性や子育て世帯の女性を意識した賃貸住宅を投入する動きが、住宅大手で相次いでいる。景気回復や政府の成長戦略を背景に働く女性が増えており、賃貸へのニーズが高まっている。賃貸市場は長期的な縮小傾向にあり、女性層をめぐる住宅各社の攻防が活発化しそうだ。
入居者の安心に配慮
女性向け賃貸住宅の特徴は防犯に力を入れている点だ。旭化成ホームズ(東京都新宿区)が6月1日に発売した「ヘーベルメゾン ニューサフォレ」では、「おかえりラウンジ」という入居者の共有空間を導入。本棚のシェアやメッセージボードなどを設置した。
同社の「くらしノベーション研究所」による調査を通じ、「名前は知らないが顔は分かる」程度の入居者同士の緩やかなつながりに安心を感じていることが判明。この結果を反映させ、「『匿名コミュニティー』による防犯という新しい手法を導入した」(担当者)。また、入居時には、緊急の際の助け合いなどを骨子とする「マナー同意書」への同意を条件とする。