パナソニックが28日発表した2014年3月期連結決算は、最終損益が1204億円の黒字(前期は7542億円の赤字)となり、3年ぶりに黒字に転換した。住宅関連や自動車関連事業が伸びるとともに、プラズマテレビや半導体など赤字事業のリストラ効果もあって、本業のもうけを示す営業利益が89.6%増の3051億円と大幅に改善。東京都内で会見した津賀一宏社長は「中期経営計画の1年目としては想定以上の滑り出しだ」と強調した。
売上高は前期比5.9%増の7兆7365億円。ただ、海外の売上高が円安で拡大した影響を除くと3%の減収となる。利益面では年金制度の変更に伴う一時的な利益やヘルスケア子会社の売却益が全体を押し上げた。
津賀社長は「(13年度に)事業部制を導入した効果や事業構造の転換が想定以上に進んでいる」とするとともに、売上高については「現地通貨ベースでも反転攻勢したい」と述べた。
15年3月期連結決算の売上高は0.2%増の7兆7500億円、営業利益は1.6%増の3100億円、最終利益は16.2%増の1400億円と増収増益を見込むものの、伸びは鈍化する。