経験生かし第二の人生 シニアの海外ボランティア (3/4ページ)

2014.5.11 18:03

ベトナムのコンサルティング先の縫製メーカーから記念品を受けた中田英機さん(中央)(中田さん提供)

ベトナムのコンサルティング先の縫製メーカーから記念品を受けた中田英機さん(中央)(中田さん提供)【拡大】

  • フィリピンで縫製指導をする奥本静子さん(右)(NISVA提供)

 各団体では派遣前の研修などを通じ、現地事情を説明している。ごく少数だが、海外生活が合わなかったり、健康に問題が出たりして帰国する人もいる。発展途上国に派遣されるため、日本とは事情が違うことも十分に理解しておいた方がいい。

 JICAの永野さんは「日本とは物事の進め方が違う。異文化を受け入れ、『日本はこうだから』ではなく、相手を尊重し、チャレンジ精神のある方が向いています」と話している。

 ■ベトナムに派遣された中田さん「現地の人が身近に」

 静岡県三島市の中田英機さん(72)は平成20年から2年間、JICAのシニア海外ボランティアとしてベトナムに派遣された。

 現役時代は素材メーカーの生産部門で品質管理や生産管理に従事。アジアでの勤務経験もあった。「東南アジアで仕事をしていたことがあり、また、海外での仕事をやってみたいと思っていました」

 アパートで1人暮らしをしながら、不良品が多い工場で品質向上の指導や納期が遅れていた玩具会社の生産計画をアドバイス。ボランティア生活は会社員時代と違ったやりがいがあり、「組織の一員として海外に赴任していたときはつきあう人が限定されていた。ボランティアでは、いろいろな人と接し、たくさんの経験が積めた。より現地の人たちが身近になった」。

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